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(前回予告)次回は「コンテンツ」と「SEO」の夜明けについてお話し出来ればと思います。

 
回線の進化と検索エンジンの進化によって、この時業界がどう変わっていったのかについてお話ししたいと思います。


・ADSLで回線速度がアップ

ADSLの普及で、常時ブロードバンド接続という速い回線でインターネットを閲覧できるようになると、当たり前のことですが「動画や画像などの重たいデータ」なんかをやり取り出来るようになって、みんなこぞって動画コンテンツを取り入れようとし始めました。

動画コンテンツの更新情報をお知らせしてくれるサイト(動画ファイルナビゲーターとか)があって、これに更新情報を登録するだけで、週に数100から1000以上のアクセスがやって来ていました。

それまで、電話帳型のリンク集サイト(テキストリンクや画像バナーリンクなどで該当の公式サイトにリンクしてあるサイト)や、趣味の交流目的の掲示板サイトばかりだったところに、「コンテンツ(=中身)をしっかりと作り込んだサイト」が増え始めてきます。

この頃は、画像に強いサイト〜動画に強いサイト〜詳細情報に強いサイト〜掲示板に強いサイトなど、どれか一つの強みしか持っていないサイトが多かったような気がします。

また、アダルトやグラビア系のサイトでは、月額いくらという有料会員を募って、定期的に新作がアップされて、有料会員だけがそれを閲覧出来るというユーザー課金型のサイトがじわじわ出てきます。
(今、様々な形のビジネスでテレビCMもやっているDMMなんかも、古参のAVダウンロードサイトでした)
 

・訪問者を増やして収益化

とにかく色々な方法を使って、(有料広告などでアクセスを買って来たり)自社HPのPVをあげよう!そして、PVがあがれば広告効果の高いHPとなる=実益を得られる!と「収益化」を目指してみな躍起になっていました。
 

収益化のパターン

1、通販サイト=ものが売れる

2、実店舗サイト=集客、売り上げが上がる

3、情報ポータル=広告効果が上がる。=広告収入が上がる

 
ちなみにこの頃あたりから、アクセスとページビューについて区別して認識するようなります。

アクセス = サイトへの訪問数(今はセッションなんて呼んでいます。)

ページビュー = サイトの各ページが延べ何回表示されたか?(PVと略されます。)

を指します。

1人の人が10ページ表示したら、1アクセス/10PVということですね。


雑誌や新聞などの出版コストが高く広告出稿料金も高い、いわゆる「紙媒体」に代わるこれからの広告媒体として「インターネット媒体」が俄然注目され出し、業態や業者によっては高い紙媒体広告を一切やめてインターネット一本に絞るというような業者も現れて来て、紙媒体の売り上げを蝕み始めたのもこの頃くらいからです。

で、この時にもう一つ大事件が起こります。


ロボット型検索エンジンの台頭

ヤフーが、独自のロボット型検索エンジン「YST」を導入し、以前のディレクトリー型検索エンジンよりも、そちらを優遇して表示するようになったのです。

ロボット型検索エンジンとは、独自のプログラムでHPの情報を収集して(クロールと言います)貯蓄しておき(インデックスと言います。)、ユーザーからキーワードによるリクエストがあった際に、独自の法則で(検索アルゴリズムと言います。)列挙表示するタイプの検索エンジンです。

それにより、ロボット型検索エンジンでの表示順位をあまり気にしていなかったサイト運営者に大打撃を与えます。

さらに当時日本では、ヤフーの検索利用者がグーグルを含めた他社の検索エンジンよりも圧倒的に多く、にわかにロボット型検索エンジン対策に力を入れ始める業者が増え、「SEO(検索エンジン最適化)」という単語が専門の業者などが現れるほど流行するのです。

次回は、ロボット型検索エンジン対策=SEOについて、当時の状況をお話ししたいと思います。