4月の週末の渋谷は新歓コンパラッシュ。ハチ公広場は勿論、109や丸井の前にはとんでもない数の大学生が集まっていて、その群れの中から大学名やサークル名を書いた手持ち看板がニョキニョキと突き出ていた。

俺らのサークル”サンタモニカファミリー”は、そういった大所帯の飲み会ではなく、女子のグループを一組ずつアポって小規模な飲み会を複数回開催していた。

ホソダが道玄坂のバーでバイトしているのでいつもそこをコンパ会場にしていた。今日の面子はヨヨギ、カズヤ、俺とカズヤの専門の後輩のアラカワの4人。相手は玉川女子の新入生4人。

「新歓というより合コンだよな。」

と思いながら、109の学生の大群を横目に道玄坂を登り渋谷プライムに向かうと既に3人は到着していた。

程なく女の子が4人やって来た。冷静に4人ともそこそこ可愛い。お嬢様学校だけあってケバさもなく、よくもまぁ俺らみたいな怪しいサークルの勧誘にひっかかったもんだ。

ホソダのバイトするハングリーボギーは、バーだけど結構食べ物も沢山あり、特にミートボールシチューとタラモサラダが美味くて俺らはいつもそれを注文していた。

「代表のヨヨギです。え〜趣味はマリンスポーツです。」

ヨヨギのはマリンスポーツじゃなくて高校の時部活でやってた水球だろうが。今はギャンブルとナンパしてるところしか見たことない。

「こいつはDJ。サーフィンとかスノボとかはカラッキシなんだけどね。」

と無茶ぶりして来た。それっぽ〜いと嬌声が上がる。

「どういうの回してるんですか?MIXテープ作って欲しい〜。」

横に座っていた色白の子が目の色を変えて話しかけて来た。

「ん〜HIPHOPが多いね。ちょっと前までは西海岸だったんだけど、今はニューヨークだね。デラソウルとか。」

女が絡むなら話は違う。俺は全力で頭の中にあるHIPHOPの知識をぶっ放しながら何とか話を合わせる。

結局サークルの活動内容なんか一言も話さずに二次会のカラオケに向かった。

二次会が終わり、時間は22時。今日はこのまま解散かなと思っていたところでアラカワが突然手を上げて

「はい!今日このままボクと一緒に帰るひと〜!」

と斬新な提案をはじめた。そんなワンナイトラブのお誘いの仕方ある?と驚いていると

「はい!」

1次会からアラカワの横にいた背の低い女が立候補して来た。そのまま二人が駅と反対方向に消えていくのを呆然と眺めていると、この雰囲気に続けとヨヨギとカズヤも同じやり口でそれぞれ女をお持ち帰りしていた。

マジかよ……とちょっと負けた気分になっていると、残った一人の女と目が合った。さっきHIPHOPの話で盛り上がっていた女だ。

「ターンテーブル見せて欲しいな……」

(6)につづく