「風呂場に“忘れ物”」「2階から飛び降りて、延長料金を払わず逃げた」…ラブホ従業員が語る、本当にいた「ヤバい客」
2022.1.21

昨今、様々な場面で話題になっている「カスタマーハラスメント(通称・カスハラ)」。顧客からの度を越えたクレームや迷惑行為のことで、特にカスハラが多いとされるのがホテル業界だが、その中でもとりわけトラブルの宝庫なのがラブホテルだ。コロナ禍でも営業を続けたラブホテルで、実際に起きた顧客トラブルを元従業員に語ってもらった。

新型コロナ感染拡大が始まって以降も、毎日30組来客

「もともと僕の幼馴染がラブホテルの経営者だったんです。人手不足が深刻な時期に『ちょっと手伝ってくれないか』と声をかけられて働き始めました。友達といっても時給は東京都の最低賃金ギリギリだし、バイトはほとんどが外国人でした。日本人はオーナーの身内か、僕を含めた友人らくらいです」

こう話すのは都内在住のジョージさん(27歳)。2018年から2021年の5月まで、およそ3年間にわたって東京・五反田のラブホテルで働いていた。

「コロナ禍になって以降、確かにお客さんは減りましたね。コロナ前だと週末には1日60組くらい入っていて、だいたいひと部屋が1日4回転するくらいのペースでした。それに対して、コロナの感染拡大が始まって以降は、いいとこ30組ぐらいでほぼ半減。ただ、コロナ禍でもそれだけ入っていたんですから、人間ってすごいですよね(笑)」

業務は大きく分けてふたつ。ひとつはお客さんの出入りを管理するフロント業務。もうひとつは部屋や館内の清掃で、その時々で人手が足りない方を手伝っていたという。

「働いていたラブホは部屋を選ぶパネルなどもないタイプ。顔が見えないすりガラスの受付で直接お金を払ってもらって鍵を渡す昔ながらのやり方でした。フロント業務はほぼそれだけなので、コンビニなんかに比べても圧倒的に楽な仕事なんです。ところが清掃業務の担当に回ると忙しさと汚れのひどさで地獄。フロントも清掃業務も時給は同じですが、清掃はこの時給ではやってられないぐらいハードな仕事でした」

食品ラップ、つり革……奇妙な忘れ物

働いていたホテルは4階建てで総部屋数が14室。近辺では普通の規模だった。カップルのお客さんもいるにはいるのだが、利用者のほとんどは近所にあるデリヘルなど風俗店の利用者だったという。

「ウチの利用者は8~9割が風俗関係でした。近所に非店舗型の風俗店がたくさんあって、お客さんが一人で入った部屋に、店から女の子が来てプレイするケースがほとんど。そのせいか奇妙な忘れ物が多かったですね」

いわゆる大人のおもちゃ系も、ほぼ毎日のように何かしらが残っていたという。

「変なものだとオムツや哺乳瓶、大量の食品ラップが残ってたこともあります。マニアックなプレイをしてたんでしょう。食品ラップは最初は何に使うのか分かりませんでしたが、どうやら自分の体をぐるぐる巻きにされて喜ぶ性癖の人もいるみたいです。なぜか電車のつり革も2回くらい忘れ物でありました」
文春オンライン)