会ったら別人!は願い下げ。風俗パネマジ最新事情
2022/7/29

夜のお店にある、眩いばかりに輝く女性たちの写真は、写真アプリなどを駆使して「パネマジック(以下、パネマジ)」になっていることがほとんどだ。そんなパネマジに今、ある変化が起きようとしている。今回は、ライター・山田ゴメス氏が、お店で働く女性たちの声と、自身が写真アプリを使って検証した「盛り」のリアルをお届けする。

有象無象の出会い系サイトと同様、デリヘル・ピンサロ・ソープランド……と、我々男どもが決して安くはない額のお金を払って性風俗を利用するにあたり、「入念な下調べ」は欠かすことができないリスクヘッジの手段です。スマホで信頼できる大手の風俗総合サイトなり、お店のホームページなりを開いて、女の子のプロフィール写真や日記や口コミからあらゆる情報を収集し、その膨大なデータをもとに今宵の相手をじっくりと絞り込んでいって……。

そんな切実かつ地道なルーティンワークのプロセスでもっとも重視されるのが、写真や動画から得られる「ビジュアル」であることは申すまでもありません。しかし“敵”もさるもの、近年は雨後のタケノコのごとくちまたに出まわっている便利な写真アプリで巧妙に”加工”された自撮りにダマされ、下手すりゃ「写真とはほぼ別人」な女の子が眼前に現れ、がっくりと肩を落とす……なんて残念なケースも、決して珍しくはありません。

では、“選ばれる側”となる彼女たちは一体、どういったアプリを好んで使い、どのように自身の外見をMAXにまで盛っているのでしょう? 今回はそこらへんの最新事情を探ってみました。

まず、スマホに内蔵されている写真機能での撮影は論外……らしい。

一度、筆者の友人である、わりと売れっ子に部類するプロカメラマンが、たまたまバーでとなり合わせたデリヘル嬢・Aちゃんに「カメラマンさんなんですかぁー!? じゃあアタシのプロフィール写真撮ってくださいよ~(ハートマーク)」とせがまれ、下心込みで「いいよ~」と気さくに応じ、その場で自分のスマホを使って撮影。さすがプロだけあって、“あがり”は完成度も芸術性も高い、かなりの出来だったようです。

しかし、結局その“秀作”は一枚も彼女のプロフィール欄に掲載されなかったと言います。いたくプライドを傷つけられた(笑)カメラマン氏が後日、LINEでAちゃんに問い詰めたところ、

「めっちゃカッコよく撮れてるんだけど、スマホ(内蔵)の写真だとすっぴんのまま街を歩いてるっぽいカンジがして、恥ずかしいんですよ~」

……との返信が。彼女たち曰く、多種多様な写真アプリで施す「加工」は「メイク」に該当する“最低限の身だしなみ”なのです。

「身内ウケ」しか考えない、過剰な加工は厳禁!
『SNOW』で撮影し、フィルターを「地雷メイク」に。

自撮り写真をインターネット上に発信する女性は、おおざっぱには

【1】とにかく自分が可愛いと思う写真をチョイスするヒト
【2】あくまで男性ウケを狙った写真をチョイスするヒト

……の2ケースに分類され、これはなにも特殊なギョーカイにかぎった話ではありません。

ただ、SNSに華麗なる日常を公開する“だけ”ならまだしも、「出会い系」や「お店で働く子」の場合は“選ばれること”が自身の利益に直結するため、おのずと【2】の視点が重要になってきます。

『SNOW』で撮影し、フィルターを「韓国メイク」にしてからフレームを装飾。

たとえば、『SNOW(スノー)』や『SODA(ソーダ)』などの写真アプリを使って、面白メイクを施したり、フレームをゴリゴリに装飾したりするのは楽しいし、身内ウケはするのかもしれません。しかし「入念な下調べ」をする”男側”からすると過剰すぎて(=【1】の視点が強すぎて)、早い段階で篩(ふるい)から落とされてしまう傾向にあるようです。

こうした実状下において、“選ばれる側”である彼女たちの多くが愛用しているスタンダードな写真アプリは『Ulike(ユーライク)』と『MAKE-UP BEAUTY(メイクアップ・ビューティ)』……なのだそう。

人気の写真アプリが、女の子の支持を集める理由
『MAKE-UP BEAITY』で撮影し、いろんなメイクやヘアカラーをお試し。

五反田のお店で働くMちゃん(実年齢22歳)は、『Ulike』推しの理由をこう語ります。

「『ナチュラルカメラ』が売りなだけあって、すごく自然体に撮れるんですよ。フィルターのバリエーションも豊富だし、初心者でも簡単に操作できるし…。
アタシって自撮りをするとき、ポーズがなかなか決まらないんですけど、『姿勢機能』(自撮りの際、カメラ画面にベストなポーズの枠が表示される機能のこと)のおかげでポーズがすぐ決められるのもウレシイ!」

『MAKE-UP BEAUTY』は、その名のとおり、充実したメイク機能が魅力! 渋谷のデリヘルで働くLちゃん(実年齢24歳)は、その使い勝手の良さをこう力説します。

「ノーメイクでも化粧をしてるみたく撮れるから寝起きでもOK! すっぴんの自撮り写真を使って、いろんなメイクやヘアカラーを気軽にお試しもできる。メイクが苦手な子でも自分の顔の可能性に気づけるアプリだと思います」

とくに、一枚でもたくさんのプライベート画像を「日記」のコーナーでアップすることが有効なセールスプロモーションの一環となる「お店で働く子」たちにとって、「ノーメイクでも化粧をしてるみたいに撮れるから寝起きでもOK!」なのは、なによりも貴重なメリットなのです。

ところが、ここまで論じてきた「自撮りトレンド」とは明らかに一線を画す、また新しいムーブメントが一部のベテラン嬢から生まれつつあるんだとか……?

素の自分よりも“奥”の色をビビッドに表現する『Foodie』
『Foodie』のノーマルフィルターで撮影し、チャチャッと美肌補正。

その「一部のベテラン嬢」の一人、蒲田のお店で働くYちゃん(実年齢32歳)が現在“仕事”で自撮りしているのは、なんと『Foodie(フーディ)』!? 説明するまでもなく、本来は料理撮影に特化した写真アプリです。

「アタシももうこの仕事に就いて長いんだけど、そろそろプロフや日記の写真をイジりすぎるのはヤメよっかな…って。だから、最近は『Foodie』でフィルターもかけずに自撮りしてから、チャチャッと美肌補正するだけでおしまい!
他のアプリのカメラ機能はどれも似たり寄ったりだけど…『Foodie』は、やっぱ食べ物をキレイに撮るためのアプリだけあってか、素の自分よりも“奥”の色をビビッドに表現にしてくれるイメージなの」(Yちゃん)

たしかに、彼女たちからすれば、お店のホームページに掲載する写真を盛れるだけ盛って、とにもかくにも「新規客を獲得すること」が大切なのは十分に理解できます。

しかし、やっとの想いで本指名をもらい「いざご対面!」ってことになって、プロフや日記の写真と“実物”とのギャップがあまりに激しすぎたら……客側の落胆もひとしおで、おそらく二度とリピートされることもありません。一枚の投稿写真に労力を取られすぎることによって、その精密な加工作業が億劫になり、ひいては大きなストレスになってしまうのも考えものです。

「リピーター率は下がるかもしれないけど、ありのままのアタシを見たうえでお店に来てくれたお客さんのほうが結果的には常連になってくれる確率が高いと思う!」

……ともYちゃんは分析します。言われてみたら、そりゃあそのとおりだわなぁ……と、筆者も猛然と同感できました。

あと、「入念な下調べ」に少なからずの時間を浪費し続けている世の男たちも、それなりの学習能力はあるわけですから、「この子の写真がどの程度盛られているか」をそこそこ判別できるくらいに目は肥えてきているはず……。

いずれにせよ、需要サイドと供給サイドのあいだで日夜繰り広げられている、不毛ないたちごっこ的な鬩(せめ)ぎ合いに歯止めをかけるという意味でも、なかなかに悪くはないムーブメントなのではないでしょうか。
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