(前回予告)次回はインターネットの世界にも「データーベース」がやって来た!という話をしたいと思います。(結局辿り着けなかった。すいません。)
ウェブデータベースというものが一般的になって、インターネットの情報量は飛躍的に向上していきます。今回はそう言ったお話をしたいと思います。
コンテンツの量の時代
さまざまなカタログ系サイトがどんどん世に出てきて、HPに”豊富な情報量”を求められるようになりました。
例えば、中古車情報が載っているサイトや、賃貸アパート情報が載っているサイト、様々な通販サイトなどは
情報が多い=ここさえ見れば他のサイトで調べ直す必要がない
ということが一つの正義の形だったわけです。
当然載せている情報が多いと、必要になってくる機能が出てきます。検索機能です。
コンテンツの整理棚=データベース
掲載しているコンテンツの量が増えて来ると、中古車なら”軽自動車か?”とか”30万円未満で”とか賃貸アパートなら”最寄り駅はどこか?”とか”家賃が5万円以下で”とか、そういう様々な条件で見たい情報を絞り込んで表示してくれる機能がないと、ユーザーは延々と探し続けなければならなくなります。
そういった大量の情報を簡単に管理出来て、さらに検索機能や並べ替え機能を装備するためには、データベースとHPを連動させる必要がありました。
ここでは、詳しい話は避けますが、ざっくりいうと
A、ウェブサーバー=HPのデザインやテキストなど(スタイルシートやHTMLコード)が書いてあるサーバー
B、データベースサーバー=カタログのようになっている各商品について項目(名前、価格、◯◯駅、間取りなど)の情報が、表のように格納されているサーバー
の、AB二つのサーバーを用意して(実際にユーザーが直接見にいくのはAです。)ユーザーのリクエストする検索条件をBから呼び出してきて表示するわけです。
このHPもお店の情報や記事コンテンツなど、全部そういう構造で出来ています。
わかりやすく言うと
図書館のように窓口(webサーバー)にお願いして、書庫(データサーバー)から出してきてもらう仕組みになっているんですね。
ただ2000年くらいまでは、元々社内のネットワークなどの閉じられたネットワーク環境用のかなり専門的な分野の技術だったので、インターネット上でデータベースを運用することは、一般の業者にはハードルが高く僕の会社でも予算的にも手を付けにくい分野でした。
しかし2004年にPHP5がリリースされた頃から、比較的簡単にウェブサイト上でデータベースを運用することが可能になり、中小企業などを相手にした制作業者などでも、データーベース機能を使ったHPを制作管理することが出来るようになりました。
さらにデータベースを管理する”コントロールパネル=コンパネ”などと呼ばれる”データベースの情報を新規に登録・編集・削除したりすることがウェブブラウザ上で簡単に出来る仕様”も実装されて、データベースの専門的な知識がなくてもHP上の情報を簡単に変更出来るようになりました。
これにより、徐々にウェブサイトを制作・管理・更新といった作業を分業する形が一般的になっていきます。
制作・管理・更新の分業化
どういうことかというと例えば
◯データベース導入以前・発注者(デザインやウェブに疎い)→ざっくりとしたサイトのイメージや用途を業者に依頼→新しい情報などあった際も業者に依頼・ウェブ制作業者(デザインやウェブに詳しい)→サーバー契約・ドメイン取得・ウェブサイト制作・サーバーへ設置→依頼された新しい情報を更新作業する
と、制作業者にほとんどおんぶに抱っこ状態だったところから
◯データベース導入後・発注者→ざっくりとしたサイトのイメージや用途を業者に依頼→新しい情報などあった際は、コンパネから情報を入力する・ウェブ制作業者(ウェブに詳しいがデータベースは作れない)→サーバー契約・ドメイン取得・ウェブサイト制作・サーバーへ設置→特別に、新しいページを増やすなどがなければ、ほとんどすることはない。・システム開発業者(データベースを構築できる)→依頼に合わせて、データベースを構築する。
という補完構造がトレンドとなります。
勿論、いつの時代もウェブサイトやデータベースなど”サーバーの中に入っている情報”の保守やバックアップは誰かがやらなくてはなりませんが、ここでは割愛します。大体は制作業者かシステム業者が行ってました。
一部のある程度以上の規模の制作業者の中には、社内にSE(システムエンジニア)と呼ばれるデータベースシステムの開発が得意な人を1名ないし数名抱え込む業者も出てきました。
というのは、その方がコストが安いからです。
社内SEを常駐させる
当時SEの制作見積もりは1人日5万円~とそこそこ高値で見積もられていて、もしウェブサイト用にデータベースを新規で開発してもらうとなった際に、例えば20日かかるとすると5万円×20日=最低100万円からかかっていたわけです。
でも例えばそういったSEを一人月給40万円で社内に雇い入れれば、外注するよりも60万円は安く出来るわけです。
さらに他所から注文を受けて100万円の見積もりを出せば、ウェブサイト制作以外にも60万円の利益を積み上げることが可能になります。
もちろんウェブ制作業者側としてもデータベースをHP上で吐き出せるように、ある程度の知識や勉強は必要となりました。
PHP5の普及のおかげで、ウェブ制作業者は”より見栄えの良いもの・使い勝手のよいもの”を求められるようになり、また発注者は”今まで丸投げだったウェブに関して勉強”をしなくてはならなくなりました。
次回は、ざっくりと2005年から2010年にかけたインターネットを取り巻く環境の変化と社内広報担当の仕事内容の変化をお話し出来ればと思います。
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